ブロ野球書評ニュース

野球の本に関する書評のブログです。

「名コーチ」は教えない

髙橋安幸[2022]『「名コーチ」は教えない プロ野球新時代の指導論』集英社 本書は,「名コーチ」とはどういう人を示すのか,どういう条件を備えている人なのかを,明らかにしようとするドキュメントである。 ファンはしばしば,エラーやミスをする選手に対し…

詰むや,詰まざるや

長谷川晶一[2020]『詰むや,詰まざるや 森・西武vs野村・ヤクルトの2年間』,インプレス 本書の目的は,いまでも激闘と讃えられている西武-ヤクルトによる1992~93年日本シリーズ計14戦の試合過程と勝敗のキーポイントを,黄金時代のメンバーたちと回顧しつ…

甲子園という病

氏原英明[2018]『甲子園という病』 ,新潮社(新潮新書) 「甲子園至上主義」の高校野球に対して,もっと高校生らしい野球,部活動,ひいては若者の育成を行うように,警鐘を鳴らすルポ。けっして甲子園で身体を壊した悲劇のヒーローに焦点を当てるだけでは…

KEIO革命

江藤省三[2010]『KEIO革命』 ,ベースボール・マガジン社(ベースボール・マガジン社新書) 著者・江藤省三(熊本商,中京商,慶大,巨人,中日を経て,慶大野球部監督)による「私の履歴書」。元プロ野球選手が東京六大学野球の指導者に就任する意義を展開。 …

セイバーメトリクスの落とし穴 マネー・ボールを超える野球論

お股ニキ(@omatacom)[2019]『セイバーメトリクスの落とし穴 マネー・ボールを超える野球論』,光文社(光文社新書) 本書は,セイバーメトリックスに代表されるデータ分析によった選手評価・球団経営を批判し,「本当にファンが求めている野球とは何なのか…

伝説の西鉄ライオンズ

益田啓一郎[2014]『伝説の西鉄ライオンズ』,海鳥社 本書は,2010年10月~12年9月の2年間,『産経新聞』九州・山口版に連載された「伝説の西鉄ライオンズ 生誕60周年」を題材に,著者が加筆・修正したものである。 2008年に西鉄ライオンズの親会社である西日…

ラジオで伝えたライオンズ ~監督・選手たちと過ごした二十七年~

中川充四郎[2011]『ラジオで伝えたライオンズ ~監督・選手たちと過ごした二十七年~』,文芸社 文化放送ライオンズナイターのリスナーにおいて,「中川充四郎」の顔をすぐに思い浮かべられずとも,その名を知らぬ者はいるまい。本書は,1982年から2009年ま…

プロ野球vs.オリンピック 幻の東京五輪とベーブ・ルース監督計画

山際康之[2020]『プロ野球vs.オリンピック 幻の東京五輪とベーブ・ルース監督計画』,筑摩書房(筑摩選書0189) 「本書は,プロ野球創成期とあわせてベルリンオリンピック,さらには昭和15年の幻の東京オリンピックとなった時代を舞台に,未知の職業野球に飛…

国鉄スワローズ1950-1964 400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団

堤哲[2010]『国鉄スワローズ1950-1964 400勝投手と愛すべき万年Bクラス球団』,交通新聞社(交通新聞社新書020) 国鉄がなぜ「スワローズ」というチームを持つことができたのか,あるいは国鉄と野球(プロアマ問わず)との深くて長い関係性について解明した…

沢村栄治 裏切られたエース

太田俊明[2021]『沢村栄治 裏切られたエース』,文藝春秋(文春新書1300) 沢村栄治の球は,本当に“ホップする球”だったのか――沢村の儚く短い人生とともに,ここに焦点を当てた伝記。これを証明するために,著者の検証方法が,褒める意味で,実にネチっこい…

ブロ野球・開幕!

世の中に野球の本はあまたあり,その書評もたくさん存在しますが,このブログでも,それに似たことをやってみたいと思います。 野球に関する書評のブログなので,「ブロ野球書評ニュース」と名づけました。 開幕当初は,先発ローテーションが確立していない…